講演会場の1人1人の顔が少しづつ曇っていく。バタバタとうつむき加減になり、その後ゆっくりと揺れながら寝落ちしていく。
それが7割を超えたとき、人は自分の価値を信じることができるだろうか。そして残り3割の人に十分なパフォーマンスを提供できるだろうか。私には出来なかった。
講演に臨む心構えに、聞き手に対しての配慮。自分の話した一言一言に対してどう感じて貰うのか、またどう感じているかを話しながら測る。
その結果として、人の時間を奪わない。率直にいうと、自分という存在が目の前で話すことで、迷惑な存在にならない。ただの自習時間の方が自由に過ごせるだけマシとならないようにする。
そんな意気込みを持っていたけれど、心を折られてしまった。後は必死で何とか立て直そうとしたが、直すことは出来なかった。
その日の午後は古いパソコンのように頭がきゅるきゅるしているだけで、まったく働かず、放心していた。
思い悩んでメンターから貰ったフィードバックは
「すべては君がその空間をつくっている。聞き手が興味を持たないことも、勝手にパフォーマンスが落ちていったことも全て君が作った世界だ。そして聞き手が求めているのはリーダーだ。アドバイザーでも無ければ、外部講師でもなく、リーダーを求めているんだ。その時間は君はリーダーだったのか??そして、どんな空間をつくるかイメージできていたのか?聞き手をどこに連れて行こうとしていた?」
即答できなかった。
ただ、あの講演会場にはリーダーはいなかった。と答えるのが精一杯である。
リーダーにならないといけないことは知識として認識していたが、逆風が最高風速のときにリーダーになる力はまだなかったようだ。この経験を通して、逆風最高でもリーダーになれる何かを身につけようと思う。
その空間を作れるリーダーになる。と改めて誓った日でした。