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社長は常に変化を求められる-社員10人の社長講座①

· 社員10人の社長講座①

相模原ビジネス教室の講座「社員10人の社長講座シリーズ」です。

社長業は対象の業界より社員数の影響が大きいと私は考えています。それは、プロ経営者と言われる人達は業界を問わず活躍されていることからも分かります。

そのため業界を問わず、社員数で切り分けて、各段階での社長の役割を定義することで、常に変化を求められる社長さんの道しるべになるような講座を行いたいと考えています。

組織化が必要な社員数は20人だと言われています。一般に言う20人の壁で組織化を進めていくことが重要とされています。これ以降は、社長が持っている権限を社員人数の変化に合わせて、社員に与えていき、社長の役割を変化させていくことになります。

この組織化一歩前の特殊な状況が、社員10人の社長さんの役割です。この段階で、社長さんたちを迷わせるのが、社長のあるべき姿です。

社員10人の社長で、社員10人規模の会社の経営者に憧れたりはしないと思います。やはり、有名なベンチャー企業の経営者や一代で大企業まで育てた経営者かと思います。

社員10人の社長は、組織化されている社長の振る舞いをおこない失敗しているというのが、よくある失敗の1つだと考えています。

組織化の前なのに、どんどん社内ルールを整え始めたり、指示だけだして、フォローはせず、何で出来ないんだと悩んでいる方もいらっしゃいます。

社長の未来に対する熱い想いも、社員に伝わらずもどかしい日々をすごしている方や、それでも大切な社員の生活を守るために、働いていているのに、その努力も理解されなかったり、すごく苦労されています。

この状況を打開するためのメッセージに、「社員10人の社長ではない。プロジェクトリーダーだ。」あります。

失礼な書き方をさせて頂いていますが、社員10人の社長が本当に社長ではないと言っているのではありません。一般に組織化された社長らしい振る舞いをするとマイナスなことが起こるので、あえて心に覚えてもらうために、このような表現をしています。

この段階は、現場に寄り添ったプロジェクトリーダーの思考で物事を進めた方が良いというお話をしています。

プロジェクトリーダという表現が分かりにくい場合は、課長をイメージしてもらうと良いです。課長がいて、サブリーダーがいて一般の社員が7~8人の構成です。

それでは、社長業とプロジェクトリーダーの違いを説明していきます。

一つ目は時間軸の違いです。社長は1年先、3年先、5年先と未来に向けて会社をどうしていくかを考えなければならないんですが、まだこの時期は、プロジェクトリーダーのように、日々や3カ月、半年ぐらいの近未来を考えていく事も重要です。

二つ目が会社も大切なんですが、個別の一人一人を見ることです。会社の未来より、社員の未来、成長をどうするかという視点です。10人の社員がどう育って欲しいかを考えて行動することが重要になってきます。

この段階で社長業を優先していると、社長と社員の距離がどんどん離れていってしまいます。組織化された組織では、社長と社員の距離が離れたとしても、その間をつなぐ管理職が配置されていますので、その溝を埋める事が可能です。組織化の話は、また別のマガジンで触れようかと思います。

社員10人の会社には、そのような管理職が存在することはほぼないのが実情です。組織化が行える段階まで社長と社員の距離を近い状態で引っ張て行くのが、この段階の多くの企業にとっては理想の形だと考えています。

社長になる前に、課長やプロジェクトリーダを経験されている方は過去の経験を思い出して、あの頃の振る舞いで社員と接してみてください。

未経験の方は、この後に連載されるプロジェクトリーダーの6つの知識・スキルと大切な思考を学んでいただき、実践していただければ幸いです。